令和3年12月の話

 年末になると一年の早さを痛感します。それでも、テレビの一年の総括番組などを見ていると、「あぁ、こんなことがあったなぁ」と思うことがたくさんあり、覚えているようで忘れていることがたくさんあるものだと思い、一年の長さを再確認します。

 今年は、コロナ感染症対策で、緊急事態宣言や蔓延防止措置適用などがあり、日常生活が制限されているので、いつも以上に一年の経過が早かったように感じますが、いろんな出来事はありました。お正月の箱根駅伝は、王者青山学院を破り、駒澤大学の総合優勝にはじまり、ゴルフの松山英樹選手が日本人男子初となるマスターズ初優勝、さらには、一年延期の東京オリンピックでの日本人選手の大活躍。俳優の田中邦衛さん、脚本家の橋田寿賀子さんなど著名人の逝去など、一つ一つを見ていると、その時の自分の体調や考え方なども思い出して、その時々には一生懸命に過ごしていたなと思い出すものです。

 確かに一年が過ぎるのは、早いかもしれませんが、年末に感じる時間の早さは、本当の時間の早さではなく、残りの日数の短さから過ぎた日の時間の早さを感じているのではないでしょうか。日々の生活を送る中で、私たちは無意識のうちに、「今日できなかったことは明日すれば大丈夫」と考えているのです。その明日に延ばすということが、大晦日が迫ってくると出来なくなる。今日のことを、今日中に終わらせないといけないと思うので忙しなく感じているのかもしれませんね。

 煩悩まみれの私たちは、つい先々のことばかりに目を向けてしまいます。しかし、これから先のことは私たちのすべての力を出し切っても知ることは出来ません。私たちに分かることは今日の日を生きていることです。明日ではなく、二度と巡り合うことの今日の日を大切に生きることが、私に出来ることなのです。忙しさに流されることなく、残り少ない今年を大切に過ごして参りましょう。

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