平成30年2月の話

 先日、東京教区の壮年会の研修会があり、築地本願寺で参加してまいりました。研修会のテーマは、法然上人と親鸞聖人のお念仏についてでした。法然上人は、浄土宗の開祖として、親鸞聖人は浄土真宗の開祖として有名です。私たち浄土真宗の寺院では、親鸞聖人が浄土真宗を開くまでに、浄土の御教えを伝えて下さったインド・中国・日本の七人の僧侶たちを七高僧として大切にしているのですが、その七高僧の一人が法然上人なのです。ですので、法然上人の御教えは、親鸞聖人を通して分かっているつもりでいたのですが、研修会を受けたら、驚きの連続でした。親鸞聖人が師として大切にしてこられた法然上人の御教えは、親鸞聖人の眼を通して伝えられたものでした。間違っている訳ではないのですが、全てではなかったようです。法然上人の三人の弟子、弁長が浄土宗鎮西派・證空が西山浄土宗・親鸞が浄土真宗と、それぞれ宗派として発展していくことになったようです。

研修会の締め括りに、芝の増上寺さんへ団体参拝で伺いました。お堂の説明や、徳川家のお墓を見学した最後に、浄土宗の布教使さんに御法話でした。増上寺さん側としても築地本願寺から浄土真宗の壮年会がご聴聞に来ていることは分かっており、浄土宗のスタイルから教えていただくことができました。私も、浄土宗でお念仏を十回称えることは知っていましたが、どう称えるのか全然知りませんでした。浄土宗の布教使さんの説明ですと、「なむあみだぶ」を一息で四回称え、それを二回繰り返す。その次だけ、「なむあみだぶつ」と称えて、最後の一回は、「なむあみだぶ」と称えると、十回の念仏になるそうです。今まで何度も浄土宗のお念仏を見てきたはずなのに、目から鱗という状態でした。浄土宗と浄土真宗の違いは、弁長さんや親鸞さんの受け取り方の違いであり、それぞれにお念仏の味わいがあるものだと受け取らせていただいた一日となりました。

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