平成30年4月の話

私たちの證誠寺は、高輪・三田・芝の地域をひとまとめにした「芝仏教会」という団体に所属しております。浄土真宗の寺院だけでなく、曹洞宗、日蓮宗など他宗派の仏教寺院約百五十ヶ寺で構成されています。芝地域で大きな寺院は、芝の増上寺さんが有名ですので、半分以上は、浄土宗の寺院となります。

この芝仏教会で毎年お勤めする法要は、お釈迦様のお誕生をお祝いする「花まつり」です。お釈迦さまがお誕生になられたのは、四月八日ですが、お稚児さんが参加しやすいように、例年だと四月の第二か、第三の日曜日にお勤めしておりますが、今年は諸行事の都合で第三土曜日に予定しております。花まつりの法要には、皆それぞれの宗派の衣と袈裟をつけて参加するので、色や形もいろいろなものがあり、見ているだけでも楽しいと思います。私たち僧侶としても他宗派の衣や袈裟を間近に見る機会はなかなかないので、衣の色目や、袈裟の織り方など勉強になります。

聖徳太子の時代に仏教伝来して以来、様々な宗派が開宗され、仏教には十三宗五十六派もの宗派があると言われておりますが、厳密に言えば、宗派はもっと増えていることでしょう。どれだけ宗派が分かれてもお釈迦さまのお誕生は、仏教界にとっては何よりの御祝です。

芝仏教会の花まつりでしか会うご縁のないお他宗の方々もいらっしゃいますが、お釈迦様のお誕生を御祝いする法要のためか、皆様が一様に笑顔でいらっしゃるようにお見受けします。芝学園のブラスバンド部が「花まつり行進曲」を演奏して、会場寺院の近所をお稚児さんと共に行進します。中央には白像の背中に誕生仏が安置してあります。お稚児さんのご両親様や沿道の方々も笑顔で写真を撮られています。先人の方々が伝えて下さったから、たくさんの笑顔の中心にお釈迦さまがいらっしゃる。今度は、私たちが次の時代へと伝えていかなければなりませんね。

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