令和5年12月の話

 十一月の中旬を過ぎるころから、様々な商業施設でイルミネーションの点灯式が行われます。日没が早くすぐに暗くなってしまう街並みにイルミネーションが点灯されると、昼の景色とも違い何とも言えない素敵な光景が現れます。寒くなるのは辛いですが、イルミネーションの点灯されるこの時期は、個人的には一番好きなシーズンです。時間があれば、北関東の藤で有名な施設までイルミネーションを見に行くくらい好きなのです。
 LEDの一つの電球の大きさは小さなものですが、それを暗闇にある木々の輪郭に付けて点灯させると、今まで見えなかった木々の姿を見ることができます。電球の色によっては昼間見る光景とも違う装いを見ることもできるのです。木々の枝ぶりがかわるわけでもないのに、電球の照らし方ひとつで目の前の木々の見え方が変わっていくのです。とても不思議ですよね。私が目で見ているものは、木々の姿なのか、電球の色なのか‥‥。

 最近の住宅事情では、ほぼ見かけることがなくなりましたが、私が小学生の頃、寺の客殿には木の雨戸がついていました。夜になると雨戸をだして、朝になると雨戸は片付けます。雨戸をだしていると、お日様がでていても部屋の中は暗いのですが、雨戸の隙間から日の光が差し込むと、その光に照らし出されたホコリがキラキラと映し出されます。LEDの電球とは違い、暗闇に差し込む光に照らされると、今まで目に見えなかったホコリが見えるようになるのです。光が当たらない薄暗い部屋の中ではホコリの存在は見えなくなります。私の目に見えるものとは何でしょうか。間違いないものを見ていると思っているのは、私一人かもしれません。光に照らされてはじめて見ることができるものはたくさんあります。雨戸の隙間から差し込むお日さまの光のように、阿弥陀さまの光に照らされるから、今年も一年元気に過ごすことが出来ました。ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 


 

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