令和元年7月の話

 鬱陶しい梅雨の季節ですが、例年より気温が低いので過ごしやすく助かります。昨年のように6月から暑いのも困りますが、今年のように長雨が続くのも困りますね。お日さまの光も、長雨の水分も、農作物の成長には欠かせないのはよく分かってはいるものの、どうしても自分の都合ばかりで、口から不満ばかりが出てしまいます。特に雨に降られると、普段の荷物に加えて傘を持たなくてならないので、なにかと不便さを感じてしまいます。さらに出先で雨が上がると、今までさしてきた傘を忘れてしまい、余計に雨雲が腹立たしく思えてきますよね。
 ところで、夏になると天気予報でよく耳にする言葉は、真夏日、熱帯夜、さらに猛暑日あたりでしょうか。地球温暖化という現象から真夏の最高気温が年々上昇しているように感じますが、30年位前は、どうだったかを調べてみると、8月の猛暑日は2日程度なのが、昨年だと7日もあるのです。
 徐々に温暖化が進んできているので、その変わり方に気付かないのです。そもそも、お天気の記録で、「平年の気温」というものは、最近十年間の平均だそうです。しかし、今日という一日は、私たちが初めて迎える一日ですから、お天気にしても、出会う人にしても、出来事にしても、何が起こるか分からないものなのです。何も分からないと不安だから、過してきた過去と比べて安心しようとしているのです。これも、私たちの都合ですね。
 諸行無常の言葉が示す通り、世の中のすべてのものは、移り変わっていくのです。その移り変わりはとても小さいので、中々気付くことができませんが、決して同じではないことを忘れてはなりません。二度と巡りあわせることのない一日を過していれば、今までと違うことも、たくさん経験することでしょう。過去と比べることなく、初めて迎える今日の出来事としっかりと向き合うことが、私のかけがえのない人生へつながることでしょう。

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