令和5年9月の話

 関東大震災が発生してから百年経つようです。私が小学生の頃、関東大震災クラスの地震はそれまでの調査で五十年周期で発生しているので、そろそろ関東大震災より五十年が経過し、いつ起きるか分からないからしっかり避難訓練をして地震にそなえましょうと、学校の先生にお話いただいたり、非常時に防災頭巾として使用できるように加工したバスタオルを教室の椅子に座布団として敷いていたことなどを懐かしく思い出します。
 当寺は関東大震災の被害はなかったのですが、東京では倒壊した建物も多かったのですが、被害を拡大させてのは火災でした。発生時間がちょうどお昼前で、お昼ご飯の準備でガスを利用していた家庭が多かったのも火災の被害を拡大させた理由だそうです。築地本願寺も地震による倒壊は免れたのですが、消火が追い付かないほどの広範囲に及ぶ火災の飛び火で地震発生の数日後に延焼して焼失したとの記録が残っているそうです。

 日本は地震の多い国なので、関東大震災以外にも、そろそろ発生するのではないかと心配されている地震もあります。地震発生のしくみはとても複雑で、天気予報のように地震発生の予報を出すことはできないようです。よく目にする地震発生の予想は、「今後三十年以内に八十パーセントの確率」というものですよね。専門家によると、今後三十年とは、明日かもしれないし、十年後かもしれない…とのお話です。四十六億年とも言われる地球の歴史の中で考えれば、一日と十年の差は、ほんのちょっとなんでしょうね。百年生きるのも難しい私たち人間にとっては、一日と十年の違いは、とても大きいですが、明日以降のことを知る力は、私たちには具わっていないのです。私が分かることは、今日の日を生きていることなのです。地震以外にも台風や集中豪雨など天変地異から逃れることは出来ない以上、十分な備えをして慌てずに行動することが何よりも大切ですね。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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