令和6年4月の話

 浄土真宗十派で組織される真宗教団連合で浄土真宗が立教開宗された日を一二二四年四月十五日と定めております。なので、今年の四月で浄土真宗立教開宗八〇〇年を迎えることになります。親鸞聖人のお生まれは、一一七三年ですので、昨年が親鸞聖人御誕生八五〇年を迎え、立教開宗と御誕生が一年違いのこともあり、一緒にお祝いするようになっております。昨年、京都の西本願寺では、親鸞聖人の御誕生に合わせて、御誕生八五〇年・立教開宗八〇〇年のお祝いの法要がお勤まりになりました。今年、築地本願寺では立教開宗にあわせて、御誕生八五〇年・立教開宗八〇〇年のお祝いの法要をお勤めします。大きな法要の場合、全国の別院から順繰りにお勤めをして、最後に本山でお勤めするのですが、今回、築地本願寺が西本願寺よりも後にお勤めすることになったのは理由があります。真宗教団連合で制定しております立教開宗の日とは、親鸞聖人が浄土真宗の根本となる著述 「顕浄土真実教行証文類」の草稿を完成された時に由来しているのですが、この草稿を完成させた草庵が北関東茨城県の笠間市にある稲田で過ごされている時期だったのです。

 越後への流罪を赦免された親鸞聖人が、四十歳ごろから六十歳頃までの二十年間を過ごされたのが北関東だったので、立教開宗の年に合わせて築地本願寺でお祝いの法要をお勤めすることになりました。親鸞聖人がお書きになられた「顕浄土真実教行証文類」の行巻にある一句が七文字で全部で百二十句のかたまりを、正信念仏偈として本願寺第八世蓮如上人が日々のお経の形式に整えられた。そして今回のお祝いの法要をご縁として現在の御門主様が新たな節をお考えになられ、築地本願寺でお祝いの法要がお勤まりになられるということ、本当にありがたい事であります。これから先のことはわかりませんが、八〇〇年の時代を超えて伝えていただいた阿弥陀様のみ教えをしっかりと伝えて参りましょう。

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