平成29年10月の話

 前住職が往生されて一年になります。御門徒の皆様から、三回忌の法要までは、とても早いですね…というお話を伺う事が多いですが、本当にこの一年とても早かったように感じました。人が一人、お浄土にお還りになるという事は、その人の生前の物をご遺族が整理をするという事に繋がります。それは、お使いになっていた物だけでなく、お付き合いのあった方々への感謝や、時には、私達が知らなかった事などに触れる事になります。相談したい本人は、もうお浄土にいらっしゃるので、生きている私達が判断して、解決しなければなりません。あらためて、人は一人で生きているのではなく、たくさんの人と繋がって生かされているのだと実感しました。
 ところで、ご高齢でお亡くなりなった時などに、「大往生」という言葉をよく耳にされると思いますが、この「大」とは、そもそもどんな意味合いがあるのでしょうね。何を以て「大往生」となるのか不思議ですよね。
 そもそも、人間は生老病死の四苦から逃れることができず、四苦の中でも、「死」は、人生最大の悩みと言っても過言ではないでしょう。こんな私たちに、親鸞聖人がお示し下さったのが、阿弥陀如来様の御教えです。自分一人の力で、仏になることは至難の道で、仏に到達できる人は僅かな人数しかおりません。しかしながら阿弥陀さまに出逢うご縁をいただいた私たちは、立派な行を修めることはできませんが、阿弥陀さまが一人も漏らさずに救いとって下さるのです。阿弥陀さまに出逢った私たちは、極楽浄土に往きて生まれていく身の上とさせていただいたのです。
 人として生まれてきた私たちは、老・病・死の苦しみから逃れることはできませんが、人として生まれてきたからこそ、たくさんの人と出会い、たくさんの人と繋がることができるのです。様々な人々と出会うご縁を頂戴した人たちは、阿弥陀さまのお慈悲に包まれ大往生していくことでしょう。

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