令和6年5月の話

 コロナの制限が全面解除されて一年が経ちます。八月のお盆休み、年末年始のお休み、そして今月のゴールデンウイークの大型連休。コロナの感染者数が報じられなくなったので正確な感染者数の推移は分かりませんが、現在でも決して少なくない人数の感染者数のようですね。とは言っても、経済活動に大きな影響が出るような爆発的な感染は発生していないので、それぞれが感染に気をつけて、コロナとの共存の仕方が分かってきたようです。 はじめてコロナ感染症が報じられたときは、お薬のない感染症で、同じ部屋に居るだけで、すぐに感染してしまうとても恐ろしい病気というイメージでした。世界の製薬会社の研究がすすみ、次第にワクチンが開発され、公費によるワクチンの集団接種。少しずつ集団免疫力がたかまり重症化する患者の減少等、専門家の判断により、制限されていた生活がコロナ感染症流行前と同じになりましたが、感染症を経験した私達は、今までと違います。

親鸞聖人が生き抜かれた鎌倉時代にも疫病流行や自然災害により大勢の方が犠牲になるという出来事があったようです。正確な記録はないのですが、水害か、あるいは水害後に発生した疫病かによって大勢の方が亡くなられた土地でのお話があります。親鸞聖人は、大勢亡くなられた方々のために、三部経(仏説無量寿経・仏説観無量寿経・仏説阿弥陀経)を千回読誦することを始めました。しかしながら読誦をはじめて四、五日経ったところで読誦を中止しました。その理由が、十七年後に病床に臥された時に、「自分の力で三部経を千回読誦すれば、大勢の方々を救えると考えたのは、本願念仏を説く者のふるまいではなかった」と、人間の自分の力に執着する心の怖さとして恵信尼様にお手紙を書かれたそうです。コロナ感染症が流行りだした頃、誰が感染源なのかと犯人捜しのようになりました。これから先は分かりません、阿弥陀様が見ていて下されば、何も怖くないですよ。

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